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臨床検査科

臨床検査とは

採取した血液や尿などの分析を行う検体検査と、心電図など身体に直接触れて行う生理検査に分かれています。

検体検査

■生化学検査

遠心分離機を用いて血液から” 血清 “と呼ばれる成分を抽出し、詳しい分析を行います。
検査する項目は疾患によって異なり、必要な項目を測定します。
当院の生化学検査室では、多くの検体をより迅速に処理するため、様々な自動分析装置を導入しています。

■血液一般検査

血液一般検査では、血液中の細胞成分の状態を調べます。細胞成分は複数あり、赤血球は全身をめぐって身体の隅々に栄養や酸素を届け、さらに二酸化炭素や老廃物を回収します。
血液中には生体内に侵入してきた細菌などと闘う白血球や、傷口を塞ぐときに働く血小板などがあり、いずれも健康に生活していくためには重要な役割を担っており、この成分に異常があるとさまざまな病気を引き起こします。

■血液ガス分析

患者の酸塩基平衡のバランスを確認するときや、酸素化能・換気能を確認するときに行う検査です。
血液中に溶解している酸素・二酸化炭素・重炭酸イオンなどを測定する検査で具体的には、PaO2(動脈血酸素分圧)、PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)とpHが測定されます。
これらの値を用いてHCO3(血漿重炭酸イオン)、SaO2(酸素飽和度)、やBE(塩基過剰;ベースエクセス、base excess)が演算されます。

■尿定性検査・尿沈渣

尿定性検査とは、10項目測定できる試験紙に尿を滴下し、試験紙の化学反応による色調変化を自動分析装置で判定し、尿中に排泄される糖やタンパクの量あるいは潜血の有無などを短時間に調べることのできる検査です。

尿沈渣とは、尿を遠心分離して抽出された有形成分(赤血球や白血球など)を顕微鏡で観察し、存在の有無やどの程度存在しているのかを調べる形態検査です。この検査は腎臓や泌尿器系の疾患の診断や治療効果の判定などに非常に役立てられます。

■血液型検査

赤血球上には基本抗原としてA、B、H抗原(HはA、Bの前駆物質的な基礎抗原)があり、血漿中には規則抗体として、抗A・抗Bがあります。それらの反応性から、ABO血液型はA、B、O、ABの4つの基本型に分類されます。
赤血球(オモテ検査)・血漿(ウラ検査)の両方からABO血液型を検査し、オモテ検査とウラ検査の一致している場合に血液型を決定する検査です。

■交差適合試験・不規則性抗体検査

輸血の直前に実施する検査で輸血予定の血液製剤が患者様の体内に入った場合、溶血反応などの副作用が起こらないことを確認する適合性検査です。

加えて妊娠や輸血などの免疫刺激により産生されることのある、赤血球に対する抗体の有無を調べる不規則性抗体検査も同時に行います。

生理検査

■心電図検査(安静時心電図・ホルター心電図)

心電図とは心臓が動くときに生じる弱い電流を増幅させて波形にしたものです。
その波形をチェックして、心臓が規則正しく動いているか、心筋に傷害がないかどうか、などを検査しています。
関連する検査として携帯型の心電計を装着して24時間記録を行うホルター心電図も行っています。

■負荷心電図検査

運動負荷試験用エルゴメータ

自転車のペダル踏み運動器を使って、心臓に負荷をかけた状態で心電図を測定することにより、心臓へ酸素や栄養を送る血管(冠動脈)の細くなっている所や詰まっている所が無いかを調べる検査です。

■モバイル心電図検査

24時間記録を行うホルター心電計より長時間記録(最大1週間)が可能な検査です。ホルター心電計では拾えない間隔の心電図異常を記録できます。

■肺機能検査

マウスピースを咥えた状態で行い、肺活量などを検査し、肺機能障害(ぜんそくや気管支炎、肺気腫など)の重症度の評価や、術前検査の一つとして手術を予定されている患者さんに麻酔が問題なく施行できるか否か判断するためにも行います。

■超音波検査

超音波画像診断装置

超音波検査とは人の耳には聞こえない高い周波数の音波を体内に送り、その反射波から臓器の大きさや形などを調べる検査です。検査は苦痛もなく、安全で検査に要する時間もわずかです。
超音波検査は全く症状のない方のスクリーニングも可能で、肝癌や腎癌、血栓の有無などの早期発見に有用なだけでなく、症状に応じていろいろな臓器の病変を見つけることができ、生活習慣病の早期発見や症状の経過観察にも大変有用です。

■ABI(血圧脈波検査)

血圧脈波検査装置

健常人では、仰臥した状態で四肢の血圧を測定すると上腕より足首の方がやや高い値になります。ところが、動脈に狭窄部や閉塞部があると上腕より血圧は低下します。両手と両足の血圧を同時に測定することで動脈の狭窄の程度を調べる検査です。